エクソソームの可能性

エクソソームはあらゆる細胞から生み出されるエンドソーム由来の袋と中身の総称です。このエンドソーム由来の袋には特異性があり、その特異性を利用して特定の細胞・組織にのみ届けることが可能となります。

ならばエクソソームの中身を『別の薬効がある物質で入れ替え（コード）』して、病巣・病気の部位にピンポイントで薬を到達させることも可能となります。この特性をうまく利用すれば副作用のない夢の治療法になり得るのです。

私のクリニックでは、多くのアスリートの治療を行っています。その中でも多い症例として靭帯損傷が挙げられます。治療には臍帯ウォートンジェリー幹細胞エクソソームを使用していますが、多少の個人差はあるものの改善までの期間を飛躍的に短縮できることがあります。改善までの期間を短縮するだけでなく、治療後にパフォーマンスの向上が見られた例もありました。臍帯ウォートンジェリー幹細胞エクソソームは損傷した組織に的確に集約して働くという特徴があるからです。

今やエクソソームは世界中の研究者が注目し、医学界でも急激に研究の進められています。その中で判明したエクソソームの持つ可能性は

• 細胞組織の修復
• 腫瘤をつくらず細胞を情報でコントロール
• 組織（臓器）の修復
• 腸内環境の修復
• がん細胞を排除し、罹患した臓器を修復するエクソソームの免疫細胞への効果
• 新型コロナウイルス感染症・後遺症への効果
• 過敏性腸症候群で炎症を起こした腸粘膜の修復
• 保存性の高いエクソソームを用いたドラッグデリバリー

など今までの医療の常識を覆すような、医療の未来を大幅に変えていく可能性を秘めた物質、それがエクソソームなのです。